金沢21世紀美術館「コレクション展2 電気-音」展が11月18日より開催、ジョン・ケージ、毛利悠子、カールステン・ニコライの作品も

金沢21世紀美術館では11月18日より「コレクション展2 電気-音」展(〜2024年5月12日)が開催される。同美術館のコレクションから「音」と「電気」の関係に着目した作品がキュレーションされており、サウンド・アート作品も多く展示される予定だ。

出品作家:ジョン・ケージ、ジャネット・カーディフ & ジョージ・ビュレス・ミラー、毛利悠子、カールステン・ニコライ
塩見允枝子、エリアス・シメ、田中敦子
招へい作家:小松千倫、涌井智仁

以下、出展作品を抜粋して紹介する。


ジョン・ケージ《フォンタナ・ミックス(ダークグレイ)》1982
金沢21世紀美術館蔵

ジョン・ケージは実験音楽のパイオニアであり、作曲家、詩人、思想家、キノコ研究家としても知られている。彼は《易の音楽》(1951)、《4分33秒》(1952)などの作品を通じて、「偶然性の音楽」を確立、そのほかドローイング、版画、彫刻なども残しており、近年は、[あいち芸術祭2022での《ユーロペラ3&4》再演]など、再評価の動きが活発になっている。

金沢21世紀美術館蔵のケージ による版画(シルクスクリーン)作品《フォンタナ・ミックス》は、1958年に作曲した同名の楽曲の図形楽譜をもとに制作されたもの。この図形楽譜は、点や線が描かれたフィルム数枚を自由に組み合わせることで演奏される。演奏者の「フィルムを重ねる」という動作=偶然性に委ねる作品であり、ケージの思想がよく表れているといえるだろう。


毛利悠子《copula》2020
金沢21世紀美術館蔵

毛利悠子は、電気や音、光などの物理現象を用いたメディア・インスタレーションを多数発表している現代アーティスト。第60回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展(2024年) 日本館の展示作家に選出されたことは記憶に新しい。

金沢21世紀美術館蔵の「copula」は、ラテン語で「連結」を意味する作品。自転車の車輪やチューブなどが壁に設置されたような作品だが、特定の設置場所は指定されておらず、展示の際に自由に配置できる。本作品はオブジェとオブジェ、鑑賞者と作品、作品と周囲の環境など様々な要素が見えない力で繋がり、私たちが生きている世界のあらゆる関係について目をむけさせる 。

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